私の保有銘柄の一つであるマークラインズが2024年第2四半期決算を発表した。純利益は前年同期比17.4%増と順調に推移している。通期の業績予想に対する進捗率は営業利益で48.4%でほぼ例年通りといっていい。
私がマークラインズを気に入っているのはそのビジネスモデルにある。
マークラインズは自動車産業に関する様々な情報を収集して提供する会員制Webサービスの「情報プラットフォーム」を運営している。国内外の完成車メーカーや部品メーカーなどに利用されており、契約社数は着実に増加している。
契約社数が増加すればするほど安定した課金収入が見込めることから典型的なストック型ビジネスだ。
ストック型ビジネスとは、定額サービスまたは従量課金のサービスを提供することで継続的に収益が入るビジネスモデルをいう。例えば、電話や電気・ガスといったインフラ関連や不動産賃貸、音楽・動画配信のサブスク、設備の保守点検、会員制サービスなどがある。ストック型ビジネスは長く安定した利益が見込めるのが最大のメリットだ。逆に言えば爆発的に利益が増えるようなことはあまりない。
マークラインズもストック型ビジネスで安定的に収益を増やし続けている。それに加えてすごいのは利益率が極めて高いことだ。営業利益率は約40%あり、ROEも約28%と高い。この収益力の高さは、自動車産業に特化した情報提供サービスということで他に競合が見当たらないところにある。
このように魅力的な企業でありながら株価はなかなか上昇しない。1株当たり利益は着実に増加しているものの、近年はPERが下がり続けている。金利上昇によるグロース株のPER低下もあって株価はあまり上昇していない。
だが、2014年の上場から約10年の株価推移を見てみると着実に右上がりとなっている。業績が積み上がっていくのに比例しているわけだ。今期も最高益更新を見込んでおり14期連続となる。だからいずれ株価も業績についてくるとみている。
自動車産業は電動化や自動運転技術など大きく変化している。その中で競争は激しくなり、情報の価値は高まっているといっていい。そう考えれば、ストック型ビジネスで安定した収益と高い利益率を誇るマークラインズは今後も期待できる企業だと考えている。