人は楽であることを求める。でもその楽であることが楽しいとは限らない。
横になって寝っ転がるのは楽だが、それが楽しいかと言われればそうでもない。
FIREという言葉が流行るのも、仕事から追われない楽を求めるからだ。
だが、実際にFIREして楽になってもそれだけで楽しいことにならない。だから再び仕事をするようになったりする。
一方、楽しいことというのは、たいていそれを味わうまでの困難が伴っている。その困難を乗り越えるからこそ楽しいと感じることができる。
楽であるところには楽しみがない。
同じ「楽」という文字を使っているのに不思議なものだ。
この「楽」という漢字は、木に糸を張った弦楽器にかたどっているらしく、そこから音楽、転じて「たのしむ」意味を表すようになった。
楽器を演奏するのは楽しいが、それができるようになるのは楽ではない。
昔の人もそう考えていたのだろうか。
楽することばかり考えていたらきっとつまらなくなる。
やはり楽しいことを追い求めた方がいい。