投資狂日記

自由を追求するブログ

熱狂的な支持による期待が生み出す壊滅的な失望

米国大統領選挙はトランプ氏優勢とみる見方が増えているようだ。トランプ氏が銃撃される事件が起きたものの、軽傷で済んだという強運も味方しているようにみえる。株式市場もトランプ氏が大統領に返り咲くことを見越し、恩恵を受けそうな銘柄の物色が始まっている。

 

トランプ氏を熱烈に支持しているのは、経済格差を背景にエリート層に虐げられていると感じている人々だ。彼らは、トランプ氏がそのエリート層を打倒してくれることを期待している。

でも、トランプ氏が大統領になったとして、本当に望む通りの結果が訪れることはあるのだろうか。そして、もしそうなったとして本当に状況が良くなるのだろうか。

トランプ氏は白人貧困層から支持されているが、トランプ氏自身は富豪だ。富豪であるトランプ氏は貧困層の実情を本当に理解して行動しているのだろうか。

 

先日、イギリスでは選挙で保守党が大敗し政権交代が起きた。インフレに苦しみ、あのEU離脱がそれを助長している。

EU離脱を主導した保守党は、EUの規制から解放されて経済が活性化すると主張していたがそうはならなかった。EUから完全に離脱してもイギリスは関税ゼロを維持したが、食品などの輸出入に煩雑な通関手続きが生じたりしてコストが増大した。また東ヨーロッパからの労働者が減少したことで人手不足となりインフレを加速させた。

今となってEU離脱は誤りだったと考えるイギリス国民は半数を超えるという。あの離脱時の熱狂はいったいなんだったのだろう。

 

政治家がバラ色の未来を提示し国民もそれを支持したが、結局そのとおりにはならなかた。政治家を信じた国民がバカを見たわけだが、そういう政治家を選んだのは国民自身だ。大衆は時に愚かになるのかもしれないが、民主主義のもとでは最終的な責任は国民にあり、特定の誰かのせいにできない。

 

熱狂的な支持による期待は、壊滅的な失望をもたらす危険を秘めている。

その失望が政治家に対するものでとどまればいいが、民主主義という制度への失望となってしまうとかなり危うい状態となるだろう。

そういう状況は投資にも影響してくる。

世の中がどう変化し、どういう方向へ向かっているのか常に考えておかないといけない。