金(ゴールド)の価格が高騰している。
金利が上昇している状況で、金利がつかないゴールドが買われているのはどういう要因なのか。
おそらくは世界規模で債務が膨張していることと関係しているのだろう。また、ウクライナや中東など地政学的なリスクもある。
貨幣価値が減少しているからこそ金利が上昇しているが、金利が上昇してもゴールドへと目が行くということは、背景に根深いリスクが横たわっていることをなんとなく感じているからなのかもしれない。
株式と金の関係はどうか。
株式は貨幣によって計られるので、株価が上昇するということは貨幣の価値が減少していることも少なからず影響している。日経平均株価は4万円を超えるまで上昇したが、日経平均株価をゴールド建てにしたらまったく違う見方になる。日経平均株価をゴールド建てにすると現在はバブル期の約5分の1にすぎないらしい。世界経済が成長し、金などの商品価格が上昇するなかで日本経済が相対的に沈んでいったことを示している。
ゴールドそのものはまったく価値を生まない。にもかかわらずその価格が上昇している。
これは実体経済が十分に成長せず、大規模な金融緩和と財政出動を繰り返してきたからだ。
貨幣への信用に疑いの目が向けられつつあるなか、価値を生まないゴールドが価値を生み出す株式より選ばれている。
ゴールドの輝きが増していることは、それだけ世界のリスクを映していることでもあり、ちょっと不気味だ。