株式投資をしていると、しばしばストップ安に直面する。これは避けられるものではなく、むしろこの経験が必要で、どう対処するかが重要になる。
最悪なのはパニックになって慌てて行動してしまうことだ。
そもそもストップ安はどういうときに起きるのか。
様々な要因はあるが、大きなものとしては業績だろう。
黒字が赤字に転落するのはもちろん、業績が市場予想に届かなかった場合でそのギャップが想定以上に大きければストップ安になりうる。
だから優良企業であっても市場予想が高すぎると失望を招いて株価が急落することは頻繁に起きるのだ。
また、その企業の事業を継続困難にしそうな事、例えば大きな自然災害や戦争などが起きた場合にもストップ安が起きやすい。これは個別企業レベルのこともあれば、株式市場全体レベルのこともある。企業は存続することが前提になっているが、その前提が崩れそうなことが起きればストップ安を招く。
では、ストップ安に直面したらどうするか。
まずは、なぜストップ安になっているのか、その原因を探る。
単純な業績悪化か。業績が市場の期待に届かなかったことによる失望なのか。それともビジネスモデルが崩壊するような何かが起きているのか。
前期が黒字だったのに今期に赤字になったなどの業績悪化の場合、それが一時的要因によるものなのか、それとももう売上が今後伸びそうもないなどの衰退が明らかになったことによるものなのかを調べる。一時的要因だと判断すれば、業績が持ち直す可能性もあり、株価も回復する可能性はある。ただ、そうだとしても回復までの時間がどれくらいなのか考えないといけない。そのうえで損切りなのか保有なのか判断する。
それよりも、そもそもその銘柄を買ったこと自体が誤りだった可能性もある。その企業の調査が不足していて、よくわかっていないまま買ってしまい、ストップ安に直面したことで誤りに気付くわけだ。その時は潔く損切りすべきだろう。
一方、業績が市場予想に届かなかったことによる失望の場合はさほど気にする必要はない。市場予想に届かなかったとしても、利益が出ているのならば長期的にはあまり問題ないからだ。この現象は優良企業にはよくあることで、市場が過剰に期待してしまっていることもある。市場が勝手に失望していればいい。むしろ絶好の買い場となるかもしれない。
結局のところ、ストップ安によって動揺するかどうかは、投資した企業のことをどれだけ知ろうとしているか、そのレベルによるのではないか。よくわからないまま保有していること自体が不安な状態なのであって、その不安がストップ安によって顕在化するのだ。
逆に言えば、ストップ安によって不安になるのならそれだけその企業のことを知らないということだ。そして、あまり知らないまま買ったということ自体がもうすでに失敗なのだ。
ストップ安になったら、なぜその株式を買ったのかを思い出すといい。
それがはっきりしないのならもうすでに失敗しているということだ。