今週は保有銘柄の決算発表が多い。
その決算発表を見て一喜一憂してしまうものだが、そうした感情に流されて株式を売買してしまうことは非常に危険だし、成功からは程遠くなりがちだ。そしてもっと厄介なのは、決算内容とそれを受けた株価の動きが噛み合わないことがあることだ。決算内容がよくても株価が反応せず、さらには大幅下落してしまうことすらある。逆に、悪い内容でも思ったほど株価は下がらず、それどころか上昇してしまうこともある。
決算は過去の結果であり、その内容の良し悪しはある程度想定済みであることから株価はすでにそれを織り込んでいると考えた方がよい。だからより注目すべきは現在進行中の今期の業績がどうなるかの予想なのだ。この予想が強ければ株価は上昇しやすいし、弱ければ下落しやすい。
今回の決算はどんな傾向か。
決算内容としては悪くない。むしろ良いところもある。だが、今期の業績予想が弱い。コロナ禍から脱却するという良い雰囲気もあるが、その一方で米国の金利動向と景気、ウクライナ情勢など懸念材料があり、米中対立も激化して国際情勢の先行きは不透明なままだ。こうした不安要因から弱い業績予想となっているのだろう。
見通しが弱ければ株価は下がり、売ってしまいたい気持ちに引っ張られるが、ここでもう一息踏ん張って深く考えてみることが重要だと思っている。
景気は波のように揺れ動き、強い時も弱い時もある。それを受けて企業の業績も上下するわけだが、弱いときこそその企業のビジネスモデルや収益構造の強さはどこにあるのかを考える。その企業の持つ強さが失われていない限り、一時的に低迷することはあってもやがて盛り返してくるものだ。もし、その強みだったものが強みでなくなっているのならそれこそ売り時だといえる。
決算内容が悪い中でも、ちょっとしたところに明るい兆しが混じっていることもある。そしてそれは案外気付かれたりしないでそのままスルーされてしまったりする。もちろんその逆のパターンもある。
また、決算前に危うさを感じているなら、いったん一部を売却して退避し、決算を確認してから再度考えるということもありだろう。
決算の前後は投資方針を見直すきっかけとなり、ときには微調整も必要となる。