投資狂日記

自由を追求するブログ

不正は衰退への兆し

ダイハツ工業で不正が明らかになった。海外向けに開発した車で安全試験の認証手続きを欺いたという。

 

この出来事がより深刻だと思うのは、ダイハツ工業トヨタグループの一角だからだ。トヨタ自動車は日本企業で時価総額最大の企業であり日本経済での存在感は非常に大きい。その日本のトップ企業のグループ会社に不正があったということは何を意味しているのか注意深く考えないといけない。

しかも、トヨタグループ内では不祥事が相次いでいる。日野自動車がトラックの排ガスや燃費をごまかし、豊田自動織機でもフォークリフトで排ガスデータを改ざんしていた。

 

トヨタグループ以外でも数多くの不正が明らかになってきたが、ついにトヨタグループでも不正が起きた。環境規制が厳しくなって検査をクリアすることが難しくなっている一方で、業績を向上させるプレッシャーもかかっていることから不正という手段へと向かってしまうのかもしれない。

 

だが不正が明らかになれば築き上げた信用は一気に崩れ去る。信用を失うことは衰退の始まりとなる。いったん衰退の流れができてしまうと復活するのは難しくなるし、復活できてもそれには多大な時間がかかることになる。

 

これまでも伝統的企業で不正が起きたが、トヨタグループ内で起きたというのは見逃せない兆候ではないか。また、多くの伝統的な日本企業が劣化してきている証なのかもしれない。

 

だが、衰退する勢力がある一方で、勃興する勢力もあることも確かだ。栄枯盛衰が入り交じり、新陳代謝することで経済も活性化する。

トヨタグループでのこの出来事はそういう新陳代謝の一環なのかもしれない。むろん、トヨタ自動車がこのままあっさりと衰退していくような企業ではないことを信じたい。

その一方で、ダイナミックに、そしてあっさりとトヨタを追い抜いていくような企業が現れることを期待してしまう。

 

衰退の兆しより、盛隆への兆しは現れるだろうか。