今年のプロ野球が開幕する。WBCの優勝によって野球界は盛り上がっているように見える。米メジャーリーグも同じように注目を浴びるだろう。そしてその中心はやはり大谷翔平選手だ。
大谷翔平というかつてないほど類い稀な存在が生まれたのは偶然なのだろうか。
あれだけ恵まれた体型に運動能力が合わさらないとあのようなプレーはできない。でもその能力が野球というスポーツに出会ったからこそ、今あのような活躍を目にすることができる。もし、野球ではなくサッカーだったら、あるいは柔道だったら、卓球だったらどうなっていたのだろう。
将棋の藤井聡太六冠にも同じようなことが言える。もし将棋に出会っていなかったらどうなっていたのだろう。
たまたま幼い時に野球や将棋と出会い、それを楽しんでいるうちに自分の能力と合致し始め、とてつもない結果をもたらすようになった。こんなことは狙ってできるようなものではない。
おそらく本人も狙ってはいなかったはずだ。ただ純粋に楽しくて面白いから夢中になっていただけに違いない。
大谷選手は投打の「二刀流」という言葉を自分から極力使わないようにしているらしい。ただ投げて打って走るという「野球」をしているという。これは少年の頃からしていたように野球というスポーツを純粋に楽しみたいという思いなのだろう。
WBCで感情をむき出しにしていた大谷選手を見ていると、まさに野球少年がそのまま大人になったように見えた。
好きなことに夢中になっている姿というのはとても清々しい。そこに能力が合致すると物凄いことになるが、そうでなくても夢中になっている本人は幸せなはずだ。
好きなことと能力が融合するのは偶然にまかせて、まずは好きなことに夢中になることを優先すべきなのだろう。