株式投資で銘柄を選ぶ時、大抵はその時に人気のある銘柄、新しいテーマに沿った銘柄などを選ぶことが多い。人気化して派手に目立つ銘柄には人が殺到するので株価の値動きにも勢いがあって、それだけで人を興奮させる。
株式投資をそういう娯楽的なものとして楽しむ分にはそれでもいいのだろう。だが、株式投資で資産を形成していきたいとするなら、果たして派手な人気銘柄に群がることは賢明なことなのだろうか。
ただ、これは投資家個人の性格も反映しているのかもしれない。
流行に敏感で、人気のあるスポットに長い行列があっても自ら進んで並ぶような人にとっては、そうすることが合理的だと考えているわけだ。
しかし、混雑したところが苦手で長い行列を見たとたんに逃げ出したくなるような私にとっては、狂気の沙汰でしかない。
だから株式市場でも投資家がたくさん群がっている銘柄には近づきたくないと思ってしまう。
それで人の気配が少なく空いているところへと目が向くようになる。そこには地味で目立たない銘柄がたくさんあって、地味なために何をやっている企業かも見当がつかないことすらある。試しにちょっと調べてみると「へ~」と唸るような面白く興味深い企業に出くわしたりする。
さらに業績の推移なども調べて将来性があると判断すればその銘柄を買い、その成長を見守るわけだ。
これはアイドルオタクが、まだ売れる前の地下アイドルを見つけて自分の「推し」にするのと似ている。
まだ知る人が少ない時に注目した「推し」がブレイクした時が格別の喜びとなる。
既に多くの人に知られ安定した人気があるものを選ぶか、地味でまだ知られていないがキラリと光る何かをもっているものを選ぶか。
この選択は投資家の性格によるところが大きいが、後者のほうが投資家的な気質なのではないかと思っている。