2月に入り、決算発表が本格化し始めた。保有銘柄の中でもコムチュアが第3四半期決算を発表した。
ある程度想定はしていたが、内容はいいとは言えない。売上は前年同期比で17.1%増加したものの営業利益は5.6%減、経常利益も5.9%減となっている。最終利益こそ1%増となっているが、これは保険金の受取によるものにすぎない。
では、悪材料ばかりかというとそうでもない。第3四半期単独の期間で前年比較すると売上も利益も増加しているのだ。第1四半期に企業買収によって生じたのれんを即時償却し、人材確保のため採用費用が増加したことが大きく影響し、累計では減益となってしまっているのだ。
通期の業績予想に変更はないのだが、第3四半期での進捗率は売上で約74%、最終利益は約63%だ。第4四半期でどれだけ盛り返せるかどうかちょっと疑問が残る。業績予想の下方修正が出てもおかしくない。
業績に陰りがでてきて株価も冴えないことから、ついに保有を見直す時期か来たかと考え始めた。でもそう単純に判断はできない。
昨年5月にターニングポイントがあったと考えられるのだ。
コムチュアを設立した代表取締役会長が5月に逝去し、さらに3か年の中期経営計画を策定している。第1四半期の費用増加は将来への布石ともいえるし、のれんの償却費はもう次期には発生しないことから、減益だからといって機械的に見放してしまうのは早計だ。
一方、コロナ禍でデジタル・トランスフォーメーションが大きな流れとなり、その潮流に乗ってきたが、その勢いがなくなるつつあるのではないかという懸念もある。
中期経営計画に沿って順調に業績を伸ばせればいいのだが、そのあたりの確証を持ちにくいところが判断に迷う。2023年3月期の業績予想が下方修正される可能性は高いとみているが、次期の業績予想が思ったよりもいいということも考えられる。そうなれば株価も一気に反発するかもしれない。逆に期待外れであれば株価はさらなる下降線を辿ることになりかねない。
今日の株価は大きく下げたものの、この程度の下落で済んだのかという思いもある。もう少し様子を見つつ、段階的に売却していくのがいいかもしれない。