投資狂日記

自由を追求するブログ

就職企業人気ランキングと投資家目線

新しい年度が始まるといつも大学生の就職企業人気ランキングというのが発表される。今年も「マイナビ・日経 2023 年卒大学生就職企業人気ランキング」が発表された。文系では東京海上日動火災保険、理系ではソニーグループが1位に選ばれている。

 

このランキングを見ると今の大学生たちが世の中をどう感じているかを知る手がかりになり、今後の投資にも役立つかもしれないと思ってじっくり見てみた。

 

文系の総合順位100位までをみてみると、明らかに銀行の人気は落ちている。トップ10には一つも入っていないし、三菱UFJ銀行の21位が最高となっている。その代わりに目に付くのが損保・生保だ。銀行というビジネスに衰退を感じている一方、保険という分野はまだまだ魅力的ということなのだろう。あと以外なのは総合商社もあまり人気がない。伊藤忠商事が5位に入っているものの、あとは52位に三菱商事が入っているだけだ。かつては世界を飛び回る花形だったが、転勤などで生活スタイルが変化することを敬遠しているのかもしれない。根強い安定志向は食品・飲料企業が多いことにも表れている。

理系では当然ながら情報通信やIT関連が多い。それと文系と同様に食品・飲料関係も多く入っている。銀行は一つも入っておらず、全く人気がない。また、IT関連が意外と目立たないという印象だ。

 

こういうランキングはその性質上、名の知れたすでに実績のある企業ばかりとなる。人気があることとその企業が実際に魅力的であることは必ずしもイコールではない。ランキングされている企業が今後の経済を引っ張っていく存在かというと疑問が残る。

 

むしろこのランキングにない企業にこそ大きなチャンスがある。ランキング入りした企業へ就活生が殺到する中、小さくても新しい魅力的な企業はきっと存在するし、一部の就活生はそういう企業を見つけるだろう。あるいは就職などせずに自ら企業を立ち上げているかもしれない。そしてそういう企業がいずれランキングを塗り替えることになる。

投資家としては、人気企業ランキングなど見向きもしない就活生が選ぶ企業のほうが興味がある。