最近では不正会計が頻発しているが、その中に前から懸念していた企業があった。不正会計を予測していたわけではないが、何らかの不祥事を起こすかもしれないと思っていた。
それについて下記のような記事を書いた。
この記事で触れた日本M&Aセンターが、成約前の仲介業務の契約書の写しを偽造するなどして売り上げを前倒し計上する不正が多数あったと発表した。
不正の背景には、この企業の売上至上主義があって、上層部からの強い圧力がこうした事態を招いたようだ。企業体質、企業風土といってもいいかもしれない。
株価は好業績だったこともあり上昇していたが、不祥事発覚後はその勢いはなくなり高値から半値以下に落ちこんだ。
こうした企業は投資対象としてどうなのだろうか。
確かに業績はいいし、投資家からみても目立つ存在で投資したくもなる。
でも何かが「におう」のだ。以前に記事を書いたときもなんとなく「におい」を感じたのだ。
「におい」には「匂い」と「臭い」がある。
嗅覚で感じられる“におい”の場合、よい“におい”は「匂い」、不快な“におい”は「臭い」と書くそうだ。
投資先として企業を選ぶとき、なんとなく嫌なものを感じるときがある。それを「におい」と表現すれば、それを嗅ぎ分けることも必要になる。「におい」の元が事業内容そのものかもしれないし、企業体質や企業風土が醸し出すものかもしれない。
不快な「臭い」がするものにははじめから近寄らなければいい。
においが良い香りか不快な臭いかが判断できない場合がほとんどかもしれない。
そして問題なのはいい「匂い」がする場合だ。
業績が良くて高い成長性がある企業はいい「匂い」がしている。だがその「匂い」に引き寄せられて飛びつくと痛い目にあうことがあるのだ。
そしてそのいい匂いは長くは続かず、いつの間にか不快な「臭い」に変化している。その臭いは腐った臭いだ。
この投資先の「におい」を嗅ぎ分ける嗅覚は案外重要なのではないかと思っている。
そして投資した企業に腐臭が漂っていないか気をつけないといけない。