投資狂日記

自由を追求するブログ

ウクライナ情勢について考える

ウクライナ情勢は相変わらず緊迫している。マスコミはロシアがいつウクライナに侵攻するかについていろいろ報道しているが、本当に戦争となるのだろうか。

 

私は以前にも書いたが、ウクライナで戦争が起きる可能性は低いとみている。だが今すぐにでも戦争が始まってしまう可能性がないわけでもない。

 

もしロシアがウクライナに侵攻すれば領土を獲得できるかもしれないが、その代償として強力な経済制裁を受けることになりロシア経済は大きな打撃を被ることになる。それはロシア国民の不満を増加させ、プーチン政権が危うくなることにつながる。領土獲得という戦術的勝利のかわりに経済制裁という戦略的敗北を招くほど愚かとは思えない。孫子の兵法でも「戦わずして勝つ」ことが至高の戦略であって、軽率に戦争を仕掛けるのは愚策だ。

それならなぜロシアが軍隊を展開させているのか。それは軍事的圧力によって、相手を交渉の舞台に引きずり出し譲歩を迫るためだ。本質的に北朝鮮がやっているようなことと似ている。実際に外交交渉が活発に行われていることからも明らかだ。

これに対して米国とNATO諸国は「ロシアによるウクライナ侵攻が近い」ということをマスコミを通じて大々的に煽っている。このような事態を招いたのはあくまでロシア側であることを強調し、ロシアの要求を撥ねつけようとしている。

そのロシアの要求はNATOの東欧拡大を停止することだ。だがそもそも東欧諸国がNATOに加盟しようとしたのは東欧諸国自らの意思であって強制ではない。そしてNATOに加盟することを選んだのはロシアが安全保障的に信用できないからだ。いわばこのような事態を招いたのはこれまでのロシアの振る舞い自体に原因がある。

そう考えるとロシアはすでに戦略的に不利な状況にある。それを軍事的圧力によって戦術的にひっくり返そうとしているのかもしれないが、それはさすがに難しいのではないか。

いい落としどころが見つかればいいのだが、緊迫が長引けば長引くほど解決は困難になっていく。そうなると意思に反して戦争という愚策に陥るかもしれない。

 

ロシア軍の一部が撤収を始めたという報道があり、それを受けてロシアの株式市場は上昇に転じたという。緊迫が緩和したからだろうが、株式市場のみならずほとんどの人は戦争など望んでいない。

それにしてもごく少数の国の指導者たちによって世界中が振り回されるというのは、考えてみれば迷惑極まりないことだと改めて感じる。