金利が上昇すると株価は下がる。金利の上昇は割引現在価値の割引率が上昇することであり、将来収益の現在価値が下がるために株価が下がることになる。
そしてその金利上昇による影響は成長性が高い企業の方が大きいとされている。そして実際に成長性が高いと思われていた企業の株価下落がきつくなっている。
だがその反応はすべて金利の上昇によるものなのだろうか。株価が変動する要因はいくつもあって、金利の変動はその1つにすぎない。また企業によっても金利の変動による株価の感応度は異なるはずだ。借金が多い企業の方が少ない企業よりも金利変動の影響は大きいことは容易に想像できる。
理屈の上では金利上昇が株価下落につながるとしても、実は金利以外の要因によって株価下落が大きくなっていることもありうるのではないか。例えば、高成長企業が期待されていた高い成長率を維持できないとみなされたら、金利上昇よりもはるかに株価に与える影響は大きいはずだ。金利上昇による影響というのは、金利上昇自体の影響よりも成長性の見通しを下げるように心理変化させたことにあるのかもしれない。そうでないと金利の変動だけでこれほど株価が下落するのは感覚的におかしい気がする。
とするなら、成長性の見通しが金利の上昇によっても実はあまり変化していなかったとしたらどうなるか。今の株式市場の見方が正しいのかもしれないが、実は間違っている可能性もある。
もうすぐ決算発表シーズンがやってくる。その決算内容によって成長性の見通しがどうなるかに注目したい。そしてそのころにはオミクロン型がピークアウトする可能性もある。ウクライナ情勢や中国の不動産問題などの要因もあるが、悪い状況ばかりではないと思っている。