投資狂日記

自由を追求するブログ

株主利益を人的資本へ投入?

先日、通常国会の代表質問で自民党の梶山幹事長代行の発言が波紋を呼んでいる。

梶山氏は、岸田首相の掲げる「新しい資本主義」に触れたうえで「既存の分配構造を是正し、『人』を中心に据えた分配を実現するためには、株主利益の人的資本への投入や適正な価格転嫁の実現など、あらゆる政策手段を通じて賃上げを実現させることが必要」と発言した。

波紋を呼んだのはこの中の「株主利益の人的資本への投入」という部分だ。

 

この「株主利益の人的資本への投入」なるものが具体的に何を意味しているのかは不明だが、投資家からすればあたかも株式市場や投資家を敵対視しているような言い方だ。しかも野党ならまだしも政権与党からこんな発言が出ることに驚く。おそらく金融所得課税強化や自社株取得規制が念頭にあるのだろう。

 

最近の日本の株式市場は下落傾向で、米国の金利上昇などが影響しているとされるが、そもそもの下落傾向が始まったのは11月の岸田首相誕生後からだ。株式市場に対する無頓着な岸田首相の言動がボディブローのように効き始め、外国人投資家が離れていってしまった。さらに日本の個人投資家日本株を見限り始め、米国株への投資が増えている。

 

岸田首相は分配に偏りすぎたことを批判されてか成長を強調するようになったが、投資家達はまだ疑った目で見ている。そして政権与党の人物からの「株主利益の人的資本への投入」という発言で疑いはさらに深まった。問題は経済格差が広がっていることではなく、全体が沈んでいることだ。これに気付かない限りこれからも頓珍漢な発言が出てくるのだろう。