日本で投資があまり広がらないのはなぜなのか。
日本でデフレ傾向が続くのはなぜなのか。
様々な理由が考えられるのだろうが、根本的に日本人はお金そのものが好きなのだろう。
お金は何らかの目的のために使うものだが、お金を貯めること自体を目的としている人が多い気がする。将来のため、老後のためというが、明確な用途があるわけではなく、とにかく貯めておけば安心するのだ。だからモノよりもお金に価値を見出すようになり、いつまでたってもデフレ傾向から抜け出せない。
とにかくお金を貯めたがる。そして貯めたお金が減ることを極度に恐れる。
だからお金が減るリスクがある投資なんてもってのほかとなる。
しかしリスクがまったくなくお金がもらえることには敏感に反応する。コロナ禍での給付金なんて典型的な例だ。岸田政権による子供への10万円給付について評判がよくないが、もらえない人が多いからなのだろう。そして給付金をもらったとしても貯蓄に回っていく。
こうした様子を見ると、「守銭奴」という言葉が思い浮かぶ。
守銭奴とは、金銭に対する欲が強く貯めることだけに執着する人をいう。この言葉には軽蔑のニュアンスがある。
日本人にとってお金の話は卑しいこととされるが、それは守銭奴的なマインドを持っていることを他人に悟られないようにするためなのだろう。表にしないだけで、多くの日本人は守銭奴であり守銭奴マインドを持っているのだ。
だが、この守銭奴マインドがいつまでも続くとは限らない。
インフレの足音が聞こえてくる。
すでにお金の価値は相当下がっているが、守銭奴マインドが影響して表面化していないだけだ。
貯めれば安心と思っていたことは幻想でしかない。