関東に台風が近づき天候が荒れ模様となっている。
国内の政治では自民党の新総裁が決まり、目前の衆院選という嵐が待ち構えている。だが、嵐というほどの大げさな事態にはならないかもしれない。
むしろ日本の外で嵐の前触れのような事が起きている。
中国では中国恒大の債務問題があり、さらに電力不足という問題が出てきている。これによって景気減速が明確になれば世界経済へ影響してくる。またTPP加入を巡って台湾との対立もある。
米国では債務上限問題があり、政府閉鎖や米国債のデフォルトリスクが燻っている。最悪の事態は避けるようにするだろうが、先行き不透明感は拭えない。
こうした混乱に乗じるつもりなのか北朝鮮がミサイルを発射したりしている。
ドイツでは総選挙が行われ、メルケル首相が退いた後の政権がどうなるかわからない。EUの中心であるドイツが混迷すればEUの結束が崩れかねない。
中東もアフガニスタン情勢が不安定であり、原油相場にも影響する。
コロナ禍によって世界が大きく動いたが、コロナワクチンの普及などにより局面が変わって、今また大きく世界が動き出そうとしている前触れのような気がする。
米国株は右肩上がりを続けてきたが、その勢いが止まるかもしれない。中国も景況感が悪化して貧富の格差が拡大すれば民衆の不満が貯まり、それを外へ向けるように仕向けるかもしれない。
米金利の上昇傾向もあって円相場は円安方向にある。かつては円安は輸出企業にとってプラスということで株価が上昇したが、もはやそういう時代ではない。むしろ賃金が上がらないなかで輸入物価が上昇して生活が苦しくなるだけだ。日本の物価は安くなっているが水面下では物価上昇のマグマは溜まっている。それが噴き出すきっかけとなる嵐がいつかはやってくる。
台風が来ることは予想できても、経済的な嵐がいつ来るかわからない。ただ、最悪の時期に最悪のことが起きたりするものだ。
でも嵐によってどうなるかはある程度想像はできる。現実はその想像をはるかに超えるものだが、まったく想像しないよりはましだ。
想像の精度を上げるためにあらゆる知識を吸収し考え続ける。
それが経済的嵐へのささやかな備えになる。