初めてのことや慣れないことをするときなど、下積み期間が必要なものがある。仕事もそうだし、投資もそうだ。
下積み期間は苦しいことが多い。慣れていないし、手順がわからず段取りも悪いからしょっちゅう失敗する。そしてここで続けられる人と辞めてしまう人とで分かれるのだ。
その違いはなんなのだろう。
大成している人はどの分野でも下積みを経験している。たまたまうまくいった人は継続して結果を残すことができない。
失敗したり試行錯誤する期間は必要なのだ。そして失敗や試行錯誤をする苦しい期間を耐える意志を持っている。
その意志には、将来のあるべき姿が明確にあるのだ。そして将来と現在の姿にあるギャップを埋めようとする。あるべき姿になろうとする意志が強いほど苦しい下積み期間を耐えることができる。
ただ、下積みしたからといって必ずうまくいくとも限らない。それが現実の厳しさだ。だけど、下積みが無駄になることはないと思う。後に何らかの形で返ってくる。
「無用の用」という言葉がある。「役に立たないと思われているものが、実際は大きな役割を果たしている」という意味だ。
荘子には「人は皆、有用の用を知れども、無用の用を知るなし(だれでも、役に立つものが役に立つことは知っているが、役に立たないものが役に立つことは知らない)」とある。
世の中に役に立たないものなど何一つない。
下積み期間というのは、その時は無駄に思えるものだ。とかく効率とかコスパとかいうけど、「無用の用」ということにももっと目を向ける必要があると思う。