株式投資では複数の銘柄に分散して投資するのが基本だ。その一方で、分散するより集中させるべきだという意見もある。ウォーレン・バフェットは数少ない銘柄にしか投資していないし、ジョージ・ソロスなどもチャンスとみれば大規模に集中投資する。
だが安易に集中投資をするのは危険だ。
バフェットは投資先を吟味に吟味を重ねたうえで投資するか否かを決めている。しかもその吟味は凡人の及ばぬ深い洞察に基づいている。あらゆる銘柄を調べ、その中から厳選したものに投資するから必然的に数少ない銘柄に集約されることになる。理解できないものには投資しないということは、逆に言えば投資した銘柄については自分なりに理解していることになる。
それでもなお間違うのだ。そして失敗したとしてもそれを受け入れる覚悟があるし、実際に失敗を受け入れる。
だから集中投資をするなら、投資先をとことん調べて理解しようとしなければならない。単純に数銘柄に集中して投資すればいいと勘違いし、ろくに調べもせずに少数の銘柄に資金を突っ込めば大失敗する可能性が高くなるのは当然だ。そしてそういう人にかぎって自分の失敗を他人のせいにするのだ。
分散投資といってもどれくらい分散すればいいのかは人によって異なる。分散するのはリスクを下げるためであり、リスク許容度は人によって違うのだから分散の程度も異なる。だからそれは投資家自身で考えて決めることなのだ。
「生兵法は大怪我のもと」というが、中途半端な知識や技術に頼ると大失敗する。
特に投資の世界は様々な情報が溢れ、わかったつもりになってしまいがちだ。
このわかったつもりというのが非常に怖い。
だからこそものごとを本質的に考える癖をつけたいと思っている。
投資は洞察力が試されるテストなのだ。