新年初売りでは福袋が目玉とされている。
だが私は福袋というものを買った記憶がない。
お正月のニュースで、例年だと福袋の販売で人がごった返すところがコロナ禍で抽選販売になったとか言っていたが、そんなに福袋を買いたいものなのだろうかと不思議に思った。
福袋の中身は福袋の値段以上のものが入っている。だから価格という面では確かにお得だといえる。だが、本当にそうなのか。
福袋は当然ながら中身がわからない。中身が分からないけれど値段以上のものが入っている。一方でいらないものも含まれている可能性もある。そのいらないものも含まれているものを買うことが本当にお得なのか。
何が入っているかわからず開けた時の楽しみがあるというのが福袋の魅力ではある。だが開けた瞬間にいらないものが目に入れば、そうした楽しみは一瞬で消え去るのだ。
通常なら欲しくもないものはお金を払って買おうとはしない。だが、福袋という中身が見えない状態のものに対して喜んでお金を払う人がいる。福袋の中に欲しかったものが含まれているかもしれないが、欲しくもないものと一緒にされ、おそらく欲しかったものの値段以上にお金を払うことになる。しかもその欲しかったものも本当は違う色のものが欲しかったのかもしれず、真に欲しかったものではないかもしれないのだ。
そう考えれば、普通に欲しいものを買ったほうがいいのではないのか。
逆に言えば、売り方にとっては実に巧妙な販売方法であるに違いない。
福袋の価値をどう捉えるか。
私は福袋には価格以上の価値があるとは思えない。だが価格以上の価値を見出す人もいるのだ。
福袋は価格と価値の関係を考える格好の材料だと思う。