先日、保有するコムチュア株が急騰した。これは大和証券がコムチュアに対するレーティングを「買い」に格上げしたことによるものらしい。
こうした理由で株価が上昇するのだから既存ホルダーにとっては嬉しいことだ。
だが、この情報に接してから「買い」に動く投資家というのはどうなのだろう。もし証券会社がすでにその株を保有していていたとして、自ら発した「買い」という情報によって株価が上昇することで、その言葉に反してすぐに売ってしまうといったことはないのだろうか。証券会社が情報という餌を蒔き、その餌に投資家が群がってくる様子を思い浮かべてしまう。実際にはないのだろうとは思うが、こういうことを想像してしまうと「買い」判断が出たからといってすぐに買いに動くことが賢明なのか甚だ疑問だ。
投資は情報が命と考えている人がいる。確かに情報は重要だ。だが情報を手に入れることばかりに目が向いてしまいがちだ。そして入手した情報をそのまま飲み込んでしまう。
『韓非子』にはこう書かれている。
「知ることが難しいのではなく、知ったことにどう対処するのかが難しいのだ。」
株価が上昇しているとき、血眼になって「買い」に突き進む投資家がいる一方で、悠々と売りのタイミングを見極めようとする投資家がいるからこそ値がついているのを忘れてはいけない。
情報をどう解釈して行動するか。
たしかにこれは難しい。
だが投資で成功するためには考えなければいけないことだ。
