新型ウイルスの感染拡大が収まらず、経済に悪影響を及ぼす「ブラック・スワン」になりうるかもしれないなか、その「ブラック・スワン」という言葉で有名になったナシーム・ニコラス・タレブ氏の「身銭を切れ」という本を読んでいる。
私は株式投資をするにあたって、ウォーレン・バフェットの言動を参考にすることはあるが、なんちゃらアナリストとかいう人たちの言っていることを真に受けることはない。また、電話で勧誘してくる不動産投資や銀行員が勧めてくる金融商品にもて手を出さない。
なぜなら、バフェットは自らリスクを取って行動し、莫大な利益を得ている一方で損失を被ることも実際にあるからだ。すなわち身銭を切っている。だからこそその言動に説得力がある。
それに対し、なんちゃらアナリストはそれらしい理屈を理路整然と述べているがその結果についてはなんの責任もとらず、性懲りもなくいつまでも表舞台に居続ける。また電話勧誘してくる業者や銀行員は自らリスクを取らず顧客から利益をかすめ取ろうとしている。こういう身銭を切らない人には注意すべきなのだ。
この本では身銭を切らない人たちを痛烈に批判している。身銭を切らない人はいたるところにいて、そうした人々が大きな災厄をもたらしているという。
知らず知らずのうちに自分も身銭を切らない人になっていないか。
”身銭を切らずして得るものなし”
あとがきの最後にあるこの言葉が心に残る。