デートで女性と食事に行った場面で、意見が割れるのがお会計のときだ。
男性がすべてを払うべきだと考える人もいるし、男性と女性で割り勘にすべきという人もいる。男女間の関係がどの程度なのかによっても違うだろう。割り勘といっても1円単位できっちり分けるような人もいるし、男性が多めに払うということもある。
世の中には損得勘定に敏感な人がいる。ここよりあそこの店のほうが少し安く買えるとか、ここはポイントが多くつくから得だとか、そういうことに敏感な人だ。
はたして損得勘定に敏感な人は合理的なのだろうか。
デートの食事代で男性が自分の食べた分だけの金額を払うというのであれば、女性の分のまで払うのは損だと考えていることになる。自分の食べた分だけ支払うというのは理に適っているし間違ってはいないので合理的だともいえる。だが女性から見たら複雑な心境になるかもしれない。男性には気前よく払ってもらいたいと思う女性にとってはケチな男性と思うだろうし、男女対等を重視するなら当然と考える人もいる。
金銭的な損得とその後の男女関係の進展が混ざり合って、複雑な葛藤が生まれるわけだ。
ただ、損得勘定というのは自分自身の尺度でしかない。損得勘定は損得「感情」でもある。得だと思った行動も、相手のことを無視した行動であるなら、実は損につながるかもしれないのだ。
合理的な行動と思っていても、実は損得勘定になっていることもありうる。
損得勘定は、「自分が得すればいい」という思考になる危険がある。そしてそれは周囲に見透かされ、軽蔑の対象となる。それは長い目で見て合理的とはいえないだろう。
ちなみに私は、デートで女性を誘って食事をしたのなら、誘った側の男性がすべて食事代を払うべきだと思っているし、実際そうしてきた。
それが合理的であったかどうかはわからない。