「いい加減」というのは否定的な意味で使われることが多い。「あいつはいい加減な奴だ」とか「いい加減な仕事をするな」とか。
でも「いい加減」というのは、いい程度、適度、適当であって、絶妙な中間の程度でもある。
だから「いい加減な奴」でも全く約束を守らないわけではなく、守ることもあったりするのだ。完璧に約束を守るのでもないし、全く約束を守らないのでもない、ある意味もっとも人間らしくもある。
実はこういう絶妙な中間のバランスをとることが案外難しい。そして極端を求めてしまうところがある。それが息苦しさを招いてしまう。
私はNHKの「ブラタモリ」をよく観るのだが、タモリの持ついい加減な雰囲気はとても好きだし、見習いたいことは多い。
そのタモリの言葉で気に入っているものがある。
休日にゴルフをしているとき一緒にプレイしていた人に向かってこう言ったという。
「真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ!」
真剣のなかにいい加減さがあり、いい加減のなかに真剣さがあるような絶妙な言葉だと思っている。
こういういい加減さを身につけたい。