あれから約2年経った。そう、2年前のちょうどこの頃退職願を上司に提出した。正式に退職届を提出したのは12月だったが、退職願で意思を示したのがちょうど今頃だった。
それまでの給与収入を失うことに多少の恐怖はあったが、なによりその職場そのものから一刻も早く離れたい意志のほうがはるかに上回った。
そして2年が経ち、なんとか変わらずに生活できている。資産も減る一方かと思いきや案外減っていない。昨年は相場が低調であったにも関わらず、意外と持ちこたえた。
もちろん安心はできない。いつ何が起きるか分からない世の中だ。他人のせいにはできない。
だけどその代わり、自由となる時間が格段に増えた。自由というのはやりたくないことをやらないで済むことだ。そりの合わない人と付き合う必要もないし、無理して満員電車に乗る必要もないし、飲み会で無理矢理に酒を飲まされることもない。
失ったものはなんだろう。定期的な給与収入とそれによる安心感ぐらいか。人間関係も減ったが、煩わしくないのでむしろ快適だ。
定期的な給与収入を差し出して、ストレスの少ない時間と自由を得たことで幸福感が増したことは間違いない。安心感というのも実はあってないようなものだ。安心なんて求めれば求めるほど逆に不安が湧き出てくる。
あのままあの職場で働いていたらどうなっていただろう、と想像することがある。もしかしたら体を壊して結果的に退職していたかもしれない。そうなる可能性は少なからずあったのだ。だからこそそうなる前に行動したのかもしれない。
自分の決断は間違っていなかったと今でも思っている。