投資狂日記

自由を追求するブログ

波が満ちて裸で泳ぎ始めたのは誰か

今日の日経新聞朝刊の1面は、社債発行が世界で急拡大しているという記事だった。

折しもFRBが0.25%の追加利下げに踏み切り、世界中で再び金融緩和の方向に向かっていることから企業の社債による資金調達は一層拡大するだろう。

 

調達した資金を成長に向けて使うのならばいいのだが、実態は違うようだ。低金利で借入金を借り換えたり、自社株買いに使っているという。

特に米国企業は自社株買いに積極的だが、借金してまで自社株を買うというのは違和感がある。確かに自社株買いによって1株当たり利益が向上し、それが株価上昇につながりROEも向上する。投資家にとってみればいいことなのだろうが、一方で株価上昇すれば経営陣への報酬に反映されるということが裏にある。ROEの向上といっても財務レバレッジを上昇させた結果であって、利益率が向上するという本質的なことではなく、表面的な数字上の操作に近い。投資家のためではなく経営陣自身の欲望によるところが大きいような気がしてならない。

 

いずれ過剰な債務に悩まされる企業が必ず出てくるだろうが、日本企業はどうか。日本企業はキャッシュを貯め込むと批判されるが、こういう状況になってくると逆に安全性が見直されるかもしれない。ただ、いくらキャッシュリッチでも稼ぐ力がなくてはならない。稼ぐ力がなければいずれ先細りで衰退していくだけだ。

だから投資するなら稼ぐ力がある企業、しかも借金する必要がないほど稼げる企業がいい。

 

ウォーレン・バフェットの名言に「波が引いたときはじめて誰が裸で泳いでいたかがわかる」というのがあるが、まさにいま波が満ちて裸で泳ぎ始めた人が増えてきているのだろう。