妻が100円ショップに買い物へ行くとき、娘もついていった。帰ってくると、必要なもの以外に娘にねだられて風船を買ったという。長細い風船で、ところどころねじったりしていろんな形に変形できるやつだ。
さっそく娘に「膨らまして」と言われ、膨らませてあげると、娘はあれこれねじって形を作ろうとし始めた。そうしているうち突然に風船が破裂してしまった。娘はびっくりして泣き出しそうになったが、また別の風船を膨らませてとせがんできた。
そんな風船をみて、最近の株式市場のことを思った。
投資家は個々の銘柄に期待を膨らませている。そして決算発表を迎え、その結果が期待に沿うものかどうか確認する。結果がよければ、期待がさらに膨らみ株価が上昇する。逆に悪ければ期待がしぼんでしまう。まるで風船のように。でもしぼんだだけならまだ膨らむ余地が残っている。しぼんだのではなく破裂してしまったら膨らむことはもうない。
決算発表がピークを迎え、あちこちで期待が膨らみ、あるいはしぼんでいる。膨らんだとしても膨らみすぎれば破裂してしまう。しぼんだとしても破裂していない限りまた膨らむ可能性はある。期待という空気が送りこまれなければならないとしても。
さて、保有する株は期待で膨らんでいるのか、しぼんだだけなのか、それとも破裂してしまったのか。
そんなことを考えながら破裂して縮んでしまった風船をゴミ箱へ捨てた。