先週、ロゼッタの決算発表があった。それを受けて週明けの株価は大幅下落だった。
決算内容と今後について考えてみた。
もともと業績悪化は想定していたので、来期以降がどうなるかに注目していた。
だが来期の予想は開示しない方針らしい。
「大きな変革期を迎えており、業績の変動が極めて著しく予想が困難なため、今期から業績予想は固定値としては開示しないことにした」という。
ただ、最低額のみの開示で過去最高売上以上、過去最高利益以上としている。
業績の予想が難しいというのは、機械翻訳の事業環境が劇的に変化していることにある。機械翻訳の精度が飛躍的に向上し、そこに注力するため大規模な開発投資をする一方、高度な専門性や品質を必要としないクラウド翻訳市場が急速に縮小してその分野で事業をしていた子会社のビジネスモデル転換を余儀なくされた。それに伴い計上していたのれんを減損処理したことも業績悪化の一因だ。
ただ逆の見方をすれば、変化に対応するため膿を出したので来期以降は期待できるともいえる。実際、決算説明資料では、「企業としてのステージが変わった。急速な跳躍(成長)に向けてテイクオフ」とある。
今後の主力となる事業の受注高は急速に増加しており、これが収益につながれば業績は一気に回復すると考えられる。
でも株価は大幅下落。市場は評価していないということなのだろうか。
私にはそれほど悲観的には思えない。
そもそもロゼッタに投資したのは、この会社の目指すことがとても面白いと思ったからだ。「我が国を言語的ハンディキャップの呪縛から解放する」というなんとも壮大なミッションを掲げ、それを実現させようとする強い意志を決算から感じるのだ。
単なる思い込みかもしれない。
これで大損することになるかもしれない。
でもこれが投資というものなのだと思っている。