書籍でもネットの情報でも投資について”必勝法”を謳っているものがある。必勝法があるのならそれを知りたいという人間の欲望をうまくつかんでいる。
そして投資に興味ある多くの人がそれを求めている。いろんな投資本でアマゾンのレビューコメントによくあるのは「この本には具体的な手法が記載されていない。」とか「アメリカの話で日本ではあてはまらない。」とかといったもので、無意識に必勝法を求めている。
残念なことに投資に必勝法はない。あるとすれば投資そのものではなくて”投資の必勝法と称して情報提供すること”が必勝法であるかもしれない。
たとえ必勝法があったとしても、それが広く知れ渡ってしまえば誰も利益を得られなくなるのでその手法を公開するのはおかしいし、そもそもそんな情報がたかだか数千円とかで手に入るはずもない。「あなただけにこっそり教えます」なんてのももっとも引っかかりやすい文言だ。そう言われたら「そんなに儲かるならあんたがありったけ借金してそのお金を突っ込めばいいじゃないか」と言ってやればいい。当然そんなことはしないだろう。だって”必勝法”を謳っている本人が必勝法ではないとわかっているからだ。
ちょっと考えればわかるはずなのに、無意識に”必勝法”に引き寄せらるのはなぜなのか。
欲望が強すぎると判断力が負けてしまうということだろう。あと気を付けないといけないのは、投資で負け続けていて切羽詰まった状況に追い込まれたときだ。
投資に必勝法などなく、ただ試行錯誤し続けられるかどうかだ。その試行錯誤していくなかで自分なりの自分に合った方法がわかってくるはずだ。調子が悪くなると”必勝法”を求めてしまいがちだが、そういう心理に打ち勝つことも必要なのだろう。