将棋の羽生善治氏と囲碁の井上裕太氏が国民栄誉賞を受賞することになった。
この2人のすごいことはトップの中のトップでありながら驕るところなく謙虚で探究心旺盛なところだ。
私は将棋が好きで、子供のころは友達とよく将棋を指していた。その頃は友達の中では強い方だったが、高校生になって今までに経験したことがないほど強い友人がいた。さらに大学生の時のバイト仲間でアマチュア段位の人がいて詰将棋を難なく解いていくのに驚愕したことがある。実際に指してみるとその実力差を肌で感じるのだ。それぐらいのレベルなので、プロのトップがどれだけすごいかは想像を絶する。
そのプロの頂点にいる羽生氏は将棋について「自分はまったくわかっていない」という。それだけ将棋が奥深いということなのだが、「わかっていない自分」というのを認識してさらに向上しようとする姿勢に凄みを感じる。
投資も将棋や囲碁と似ているようなところがある。将棋や囲碁には定石や戦法がいろいろあるが、投資もファンダメンタル重視かテクニカル重視かとか、長期か短期か、個別株かインデックスかなど手法がいくつもある。だがどれも正解はない。
投資の成績がいい状態が続くと「わかったつもり」になりやすい。
だが本質的には何もわかっていないのだ。
投資も奥深い。羽生氏や井上氏の足元にも及ばないが、探究心を持ち続けたいと思う。