日本郵政が買収した海外子会社ののれんを減損処理し400億円の赤字に転落するという。
オーストラリアの物流会社トール・ホールディングスの買収価格は妥当だったのだろうか。この買収を推進したのは日本郵政前社長の西室泰三氏だ。西室氏といえば東芝出身ということで、どうも東芝の人は企業買収が下手のようだ。
企業買収といえばソフトバンクの孫さんや日本電産の永守さんが有名だが、こういう人たちと何が違うのか。おそらく創業者でもありオーナーであるということもあるが、資金繰りなども含めて経営の勘所や修羅場というものを肌身で知っているということではないだろうか。一方、東芝の経営陣などは社内政治には長けていたが、経営の厳しさの感覚が欠けていたのではないか。自分の地位を上げるために実績をつくる必要があり、それが企業買収だった。買収というのも経営判断ではなく社内政治の判断だったのではないか。
もともと私は日本郵政という会社にまったく興味がないが、それはこの会社の経営に社内政治の匂いを感じ、無意識に遠ざけたからかもしれない。東芝もそうだし、もっと言えば日本を代表する企業が属する経団連もそうだ。経団連に属する会社の株は極力買わないようにしている。経団連の役職ポストに関心がある人に経営がうまくできるとは思わないからだ。