今年になって初めて読んだ本が、「孤独の価値」(森博嗣 著)だ。
孤独というと否定的な印象がある。
私自身、人付き合いがあまり好きではなく、大勢でいるより一人でいるほうを好むので、「孤独の価値」というタイトルに惹かれて読んでみた。
まず孤独とは何なのか、なぜ孤独は寂しいのか、なぜ寂しいといけないのかと問いかける。そしてそういった寂しさはマスコミなどがつくったステレオタイプな虚構であって、悪だと思わされているだけではないかという。絆を売り物にする商売にのせられ過剰に他者とつながりたがって「絆の肥満状態」だという。
確かに街中ではスマホをじっと眺めながらLINEやフェイスブックなどSNSを使っている人が大勢いる。そしてそんな中で過剰につながっていることに疲れている人もいる。友人とつながらず孤独になることを恐れているのだろう。
私はこうしてブログを書いているが、他者と積極的につながろうとは思っていない。
だが拒絶しているわけでもない。
著者は『孤独とは、他者からの無視でも社会の拒絶でもない。社会と共生しながら、自分の思い描いた「自由」を生きることである』という。
孤独になるとは自由になるということなのだ。
だとすれば孤独は私にとってものすごく価値のあるものとなる。一人でいる時間が貴重なものにいっそう感じるようになるだろう。