今日の日経ヴェリタスのトップ記事は「日銀 2%の呪縛 ゆがむ市場、相次ぐマイナス金利」という日銀の異次元緩和とその副作用についてでした。
異次元緩和は劇薬に例えられ、効果は望めるものの副作用も大きいといわれています。日銀は国債やETFを大量に買い入れている結果、債券市場ではマイナス金利になりETFも5割を日銀が保有している状態です。
いわば現在の債券市場も株式市場も歪んでいるわけです。そして物価上昇率が思うように上がらず、消費税増税によって景気が停滞ぎみになっているなか、消費税率を予定通り10%へ上げるか否かの判断が近づいています。
ここで消費税率を上げれば景気にダメージになり、かえって税収が減ることになるという意見と、消費税率を予定通り上げなければ政府の財政再建への取り組みに疑念を持たれ、その結果国債が売られ金利が急上昇し財政がさらに悪化するという意見が対立しています。
消費税率を上げるか延期するかどちらにしても、再び日銀が追加緩和する可能性がでてきました。異次元という緩和策を実施したにもかかわらず、さらにそれが足りないといってまた緩和するというのはどうなんでしょう。また、日銀より先に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革をあてにしているような雰囲気です。
アベノミクスの第3の矢はいまだにグズグズしていて放たれずにいますが、結局このまま続くような気がしてなりません。
もしこのままだったら国債暴落、ハイパーインフレなどもありうることは頭の片隅に入れておくべきかもしれません。「そんなこと絶対ありえない」というひとがいますが、常に「本当にそうか?」と考えることは大切だと思っています。
そして市場が歪んでいるということは、いずれそれを解消するような力が働くときがくるはずだと思っています。