投資狂日記

自由を追求するブログ

スカイマークの財務内容を調べてみた

スカイマーク民事再生法適用を申請し、事実上破たんした。

破綻する企業の財務内容がどんなものなのか、これまでの開示資料を調べてみた。

 

売上高をみると2012年3月期からほとんど伸びていない。一方で、営業利益・経常利益は減少傾向が続き、2014年3月期で赤字に転落している。やはり格安航空会社の台頭で価格競争が厳しくなったこと、そして円安が進んだことで燃料費が増えたことなどが大きく影響しているようだ。そして業績が悪化する中、エアバス社との契約にからむトラブルで多額の損害賠償を請求される事態が生じたことも大きい。自己資本比率は50%を超えているからそれほど危機的状況にあるとは一見思えないのだが、そのまま賠償金を負担することとなると一気に悪化することになる。

また、キャッシュフロー計算書をみれば、企業の体力がどんどん落ちていたことがわかる。営業キャッシュフローは2011年3月期以降下降線をたどり激減している。

一方で業績を回復させるべく投資を積極的に行ったため投資キャッシュフローは大きなマイナスとなっている。結果的にこれが大きな負担となり資金繰りに行き詰まったということだ。

 

やはり破綻する企業は営業キャッシュフローが弱い。十分なキャッシュが稼げないので何か経済環境が変わると一気に危機に陥りやすい。

リーマン・ショックのとき不動産会社がバタバタ破綻したが、それは不動産が売れなくなりキャッシを回収できず、資金繰りに行き詰まったからだ。それまで業績は好調だったにもかかわらず、経済環境が激変したためそれに対応できなかった。

企業が破綻するのは業績が悪いからなのではなく、資金繰りに行き詰まるからだ。業績が悪くても資金が続く限りは破綻しない。事業で稼げなくても、どこかが出資してくれれば企業は存続する。

ただ、投資対象として考えるならば、いくら存続していても稼いでくれないことには意味がない。

 

ところで、日本は巨額の財政赤字だけど日本政府の資金繰りは本当に大丈夫なのだろうか。いくら資産があろうとも支払うべきときに支払えなかったら終わりではないのか。